【モラについて】

 カリブ海に浮かぶサンブラス諸島の先住民族(クーナインディヘナ)は、二千年もの間、他の民族と血の交わりをかたく拒否し、民族の掟を純粋に守り続けているユニークな民族です。

 平均気温32度という土地柄から、彼らは「腰布」だけで暮らしていましたが、18世紀の半ばヨーロッパから来た宣教師の教化で「ブラウス」を着るようになりました。「モラ」はこの「ブラウス」の胸部を飾るもので、もともとは、上半身を飾った「ボディ・ペィンティング」から来たものだと言われています。

 手法は、草木染のカラフルな布を何枚も重ね上の布から順に絵に沿って切り込み、下にある布が自然に出てきたところで、さらにカットした周囲をきれいに縫うといった極めて手の込んだ手芸品です。

 現在では、色彩も模様も多彩に発展しました。自然現象、神霊の宿る動物との対話など、彼らの精神生活や暮らしがそのままに表現されています。